【スクリプト】2026年5月期 第3四半期決算説明会
2026年4月6日
2026年5月期 第3四半期決算説明会のスクリプトです
資料のダウンロードはこちら

代表取締役社長の石橋です。どうぞよろしくお願いいたします。
私の方から第3四半期の決算報告をさせていただきたいと思います。
まずは第3四半期の決算概要、続いてAIに関する価値創造の進捗などもご説明させていただきたいと思います。その後に通期業績予想について、配当金額も決定しておりますのでその説明もさせていただきます。
それでは、まず第3四半期の決算概要です。
業績のサマリーといたしましては、売上高、そして各段階利益全てにおいて過去最高を更新いたしました。営業利益率も2.7%増というところで、中計において利益体質になるという目標を掲げ、営業利益率の成長にも注視しておりますが、20%以上という目標に対してすでに20.7%という形でしっかりと進捗しております。なお、Q3単独の業績についても、各段階で過去最高という形になっております。
続いて、営業利益の増減についてです。ポイントは三つあります。まず一つ目は広告戦略の変更を背景としておりますが、もっと効率的に広告を出して獲得していくというところで利益を押し上げる形になっています。また、AIに関してもしっかり投資していく方針に基づきデータ費・通信費が増加し、引き続き投資フェーズとなっています。一方、AI活用が人件費の減少という形で数値に出ており、運営の効率化が進んでおります。これもまた利益を押し上げる要素になっています。
続いて、Domain(事業)別の売上に関してです。
ご心配かけておりますSea Domainですが、増収という形に転じてまいりました。
Sky Domainに関しましては、引き続き非常に順調にアジアのエアライン市場、そして国内ヘリ市場を中心に増収が続いています。
続いてLand Domain、Internet Domainはともに5.5%増収となっておりますが、Landに関してはウェザーニュース for businessという新しいプロダクトを中心に、Internet DomainではQ3でしっかりと累積DAUが上がってきたため、広告売上を中心にしっかりと伸びが出ている状況でございます。
ここからは一つ一つのDomainの詳細です。
Sea Domainは引き続き欧州市場において新規顧客を獲得しているところでアップセルが堅調に推移しております。特定の顧客を一部ロストした部分もありますが、新しいプロダクトで現在挽回しております。
そして、皆さんが気にされているであろうホルムズ海峡の封鎖についてですが、現時点では影響は限定的かなという風に見ております。特に影響を受けるタンカー市場は我々の売上では大体1割ほどであり、ホルムズ海峡の中で停泊している船の数でいうと100隻程度となっております。我々がサービスを提供している船の数は10,000隻以上ですので、売上影響は限定的です。
プロダクト戦略に関しては主に二つあり、まずはこちらのSeaNavigatorです。ここ(左側画像の右のチャット画面)にAIが載っておりますけども、AIが強力に船をサポートするこのプロダクトと、もう一つはこのデータセットです。データのみの販売においても高精度な予測のデータ販売を開始しておりまして、プロダクトパッケージとその元となるデータ、この二つが我々の主なプロダクト戦略になります。
続いてSky Domainです。こちらはヘリコプター向けのサービスの一例になりますが、我々の強みであるカメラのAI画像解析を用いて、今まで無理だと考えられていた霧の検出を行うプロダクトです。このようにプロダクトにどんどん新しい技術を入れることによって大手顧客から新たな受注をいただいており、順調に売上が伸びております。
続いてLand Domainですが、こちらは期初のタイミングで「このWxTech(ウェザーテック)シリーズがキーである、具体的にはウェザーニュース for businessなどの新しいサービスがキーである」というお話をさせていただきました。
KPIとしては期末でARR18億円、顧客数では約800顧客まで増えるであろうという風に予想しておりましたが、直近は順調に進んでおりまして、ARR20億円、顧客数では1,000顧客とそれぞれ上方修正させていただきました。
Landのプロダクトの中では特にウェザーニュース for businessが非常に重要なプロダクトになりますが、特に自治体様に特化したウェザーニュース for business、もはやウェザーニュース for Governmentという風に呼んでもいいのかもしれませんが、そういったサービスや、他にもBCPや安否確認といったサービスも充実させてきております。
また、放送局様に今使っていただいているウェザーニュース for businessの放送パックという、for businessのPC画面に出ているウェザーリポート、もちろん我々の方で中身を確認したものですが、それをそのままオンエアに使っていただけるサービスです。放送市場向けについてこのようにゲームチェンジしている部分もあり、Q3でこのあたりで大きく進捗がありました。
また、山火事も多く発生している中で、林野火災のリスク判定などのサービスも追加しております。ウェザーニュース for businessに関しては様々なコンテンツをどんどん追加して、既存のお客様に対してサービスのリプレイスを進めている状況でございます。
続きましてInternet Domainですが、こちらQ3売上単独も過去最高でした。前年のQ3と比べるとDAU、デイリーアクティブユーザーがしっかりと増加し、売上に関しても広告売上の部分がしっかり増収している構造です。ある程度天気に左右される部分もあるのですが、Q3においては(DAUも)しっかり戻ってきたと捉えております。
こちらは前回の決算資料にも掲載しておりますが、予報精度No.1、利用者数No.1、SEONo.1という形で主要な項目すべてに対してNo.1を取っております。
この圧倒的なポジションを取った上で今後さらに伸ばしていくというところが非常に重要になってくると思いますので、引き続きご期待いただければと思います。
ここからはAIに関してどういった取り組みをやってきているのかをまとめさせていただきました。
昨今はAIによって「SaaSの死」とも言われており、株式市場などかなり変化が大きい時期であったのかなと思いますが、「ウェザーニューズはなぜAIで死なないか」という話をお伝えします。
まずはAIの得意なところである運営の効率化。我々がこのプロジェクトを開始してから今期末には月間で16,000時間、我々の運営が効率化され生産性が向上するであろうと見ています。
この流れは来期でも続くものと見ております。
なお、AIは人の仕事を効率的にし生産性を上げるためだけに生まれてきたわけではありません。この後は我々の強みをどう AIが補強するかという説明をさせていただきます。
まず、中計(中期経営計画)でも記載させていただいている内容のおさらいですが、まずデータについてはとにかく40年ずっと貯めてきました。気象のデータだけではなく、ビジネスのデータもしっかりと貯めてきております。
このデータがあるからこそ素晴らしいForecast(予報)が出来てくる。そして予報のクオリティが良いと、そこに必ずお客様が集まってコミュニティができてくる. そしてこのコミュニティから新しい課題やテーマなどを共有いただき、さらにはデータもいただきながら、またData・Forecast・Communityのループを回していくというのが我々の本質的な強みであり価値であるという風に感じております。
そしてこのループの中にAIが入るとどうなるか。我々のこれら強みを全て強くしてくれるわけなんですね。
例えばデータに関して言うと、大量なデータがあるとその中で異常値を見つけたり、もしくは自動的に修正できます。プログラムを書く形でも実現出来るのですが、全てのデータに対して実施するのはなかなか難しい。これをAIを使うことによって大量なデータについて瞬時にしっかりと異常を検知し、自動的に修正する、つまりデータをクリーンな形で正規化するということが非常にやりやすくなりました。
もう一つ例を挙げると画像処理です。画像データもしっかりとAIが分析することによって、それを気象データとして扱えるようにする。こういったところもAIの強みです。
あとはグローバルのデータ。例えば、違う国のデータになると、言葉でデータが入ってきたりすると翻訳するのもなかなか大変です。これまでは翻訳作業をプログラムベースで実施していた部分もあったのですが、これらマルチランゲージのデータに関してもAIが入ることによってかなり早いタイミングで翻訳や正規化をすることができます。我々が強みとして持っているデータがAIのおかげでより素晴らしいデータベースになっていくわけです。
そういったデータがあるとAIはやはり高頻度、高解像度、高精度の予報にも活用できます。例えば予報モデルを回す頻度についても、今までスーパーコンピューターで6時間に1回しか計算できなかったところ、AI型のモデルになるともしかすると自分のパソコンでも気軽にモデルを回すことができ、高頻度に予報を生成することができます。また、これまでかなり大きなメッシュ、例えば5キロメッシュで予報を作ってたようなところに関してさらに高解像度にするというのもAIが得意なところです。
我々はAIをフル活用して、この高解像度化の技術に関しては世界のどこにも見られないほどのノウハウを蓄積してきました。高解像度のデータを作って、そして最終的な予報も高解像度で高精度にしていく上でAIがあると非常に上手く行くわけです。
気象以外の予報に関しても、AIはビジネスデータをそのまま活用してビジネスデータとして予報するというダイレクト予報もでき、お客様の多種多様なニーズをそのまま予測することもできるようになります。
このように予報そのものに関してもAIがかなり効いてきていると感じております。予報が良くなると、最終的にコミュニティが出来上がり、お客様が集まってきます。これまでは全てのお客様一人ひとりに対して、例えばコンテキストに合わせて返信したり問い合わせするということが中々できませんでした。AIは多種多様なお客様に対してコンテキストに合った形で適切なサジェスチョンをするとか、適切なアドバイスをすることができるようになりました。しかも自然言語でマルチランゲージで出来ます。こういったところでもAIでコミュニティの価値を上げているところです。
コミュニティ(市場)の中でのデータを分析することで、その市場に何が今必要かということもわかるので、市場全体に対して提案ができるというのもAIが得意とするところです。
ですので、このData・forecast・Communityという我々の3つの強みを、今、AIが強烈にサポートしているという状況でございます。
データの具体的な事例から一つずつ見ていきましょう。
ここに載せてるのは全てではありませんが、例えばライブカメラを見ることによってゲリラ雷雨の検知が出来、それをもとにアラートを送ったり予報を作るということが出来ます。警報に関しても、全世界の警報、もちろん全ての別々の言語で発表されているテキスト情報をしっかりとAIが翻訳してデータ化する。もうすでに我々人口カバー率で98%まで全世界の警報・注意報をデータベース化しております。
データは、例えば気象だけではなく、ニュースやSNSといったテキスト情報も取得し始めております。大きな災害があったというニュースであったり、SNSからの投稿などもしっかりとデータ化して、それと気象を結びつけて解析できる。そういう状況がもうすでに生まれております。
続きまして、予報です。こちらも本当にたくさんあるので紹介出来るのはごく一部ですが、例えば最近はAIが台風を予測します。この件はコーポレートブログで詳細を書いておりますが、今はAI予測モデルの方がどの気象機関の物理モデルよりも当たるという結果が出ています。そういったものをいち早く利用して、我々のサービスに役立てております。
「ビジネス影響をAIで予測」という記載がありますが、例えばとうもろこしの収穫量をそのまま予測するとか、電力の需要予測、もしくは船が混雑・停滞の予測などもダイレクトにAIが行うなど、様々なところでAIを使っております。
予測におけるAI活用事例は他にもたくさんありまして、資料にも「etc」と書いているくらいなんですが、例えば路面の雪の状態を見るとか、桜に関しては桜の木一本一本がいつ開花するかをピンポイントで予測するとか、予報の高解像度化で日射量もより扱いやすくなったりしています。
航空関連では火山灰が出た瞬間にAIが検知してそれをすぐさま航空業界の皆様に情報提供したり、レーダーに関しても超高解像度化が出来ておりますし、グローバルのレーダーに関してもこれまで集めたものを全て超高解像度化してお客様に提供できる。
そういうようなものが続々と予報センターの中で日々作られ、検証され、お客様からのフィードバックを得て、そして再び運営に乗せていくというサイクルがどんどん回っている状況です。
最後はコミュニティです。全てのウェザーリポートに対して、今は一日20万通くらい送られてくるのですが、そこに対して感謝のコメントをAIから送っています。AIから感謝されて嬉しいのかと思うかもしれませんが、これが結構嬉しいんです。ぜひ皆さんもやってみていただきたいなと思いますが、なぜこのウェザーリポートが我々にとって必要で、このタイミングでこのエリアからの情報が嬉しいのかという点までちゃんとAIが答えてくれるからです。
また、お客様のダッシュボードなどのデータを見ることによって、その業界における潜在的なニーズの解析をAIが行い、それを人間に対して提案してくれるというようなことであったり、ホルムズ海峡においては我々はAIS(船の位置情報)データも沢山取得しておりますので、そういったデータから分析して、最終的には全世界のそれぞれの国の言葉でニュースとしてお客様に配信することが AIによって非常に簡単にできるようになったということです。我々のお客様のコミュニティに対して、エンゲージメントを高める上で、様々な形でAIを活用させていただいているという状況です。
最後は最近のトピックスについてです。
小笠原村と小笠原支庁、およびウェザーニューズがこの間、協定式を結びました。小笠原というのは東京都なんですが、実は雨雲レーダーが設置されてないんです。かなり多く雨も降るんですが気象予測における雨の捕捉率が非常に弱いという点がありまして、我々はそこに対して我々のSoratenaProという小型の観測機や、あるいは小型のライブカメラを設置することで、この小笠原が最も気象観測密度が高い気象DXの先進エリアにしていこうというプロジェクトを立ち上げております。
これだけ観測機や観測網が充実した日本の中においてもまだまだこういうところがあります。アジアにおいては更にそうしたエリアが多いです。なので、この日本で培った新しい技術を使った新しい予報、新しい減災の形を小笠原さんと一緒に挑戦させていただいて、それを一つのベンチマークとしてグローバルにも展開していく。そういう礎になるんじゃないかなという風に思って非常に期待しているプロジェクトでございます。
ここまで第3四半期の決算概要とDomain別の売上、およびAIの取組み等をご説明させていただきましたが、最後は通期業績予想でございます。
こちらは期初計画を据え置きという形になっております。売上高に関しては若干、このままいくとショートする可能性が高いと思っておりますが、営業利益に関してはこれより上振れるだろうと考えております。
Domain別の売上に関しても据え置きで変更はございません。Sea DomainとLand Domainはもう少し頑張りたいというところがありますが、Sky DomainとInternet Domainは引き続き売上を伸ばして、最後まで諦めずに売上達成を狙っていきたいと考えています。
最後ですが、記念配当でございます。今回、記念配当が35円、年間配当に関しては80円という形で金額を発表させていただきます。最終的には配当性向100%が目安になりますので、利益がこの後に上がった場合、記載にある通り、年間の配当金額が上振れする可能性はあります。
私の方からは以上になります。
※本第3四半期決算説明会において、参加者からの質問はありませんでした。




